太陽電池は発電に関して、いろいろな特性を持っています。それらの特性を理解しシステムを設計する事により安定したシステムを構築することができます。
1)出力仕様
カタログなどに表示されている出力値は、次のような一定の基準により測定した値で表しています。
基準状態:モジュール温度25℃、分光分布AM1.5、放射照度1000W/u
これらの意味は

2)太陽電池の特性

1)日照データの把握(簡便法)
日本の年間日照時間は1500-2000時間です。1日当たりの平均日照時間にすると、4-5.5時間です。一般的な地域における経験として発電に利用できる時間は、1日当たり平均2.6-4時間(日射量1000W/uに換算した場合)とみなすことができ、これを有効日射時間といいます。ここでは中間の値をとって3.3時間を1日の充電時間とします。
2)負荷の把握
負荷とは、TV、蛍光灯やポンプなどの電気製品のことです。大きく分けて負荷の使用条件は、バッテリー等の直流(DC)で使用するものと、家庭用のコンセントで使用する交流(AC)があります。負荷を把握するということは、まず、この交流と直流の別、使用電圧(V:交流では使用周波数も把握)、消費電流(A:消費電流がわからない場合は出力W)、そしてこれらの電気製品を使用する平均使用時間(h)などを把握することです。それぞれ負荷の使用電流と平均使用時間がわかれば、1日当たりの平均使用電流量(Ah/D)を求めることができます。
| 負荷を把握するための項目 | 使用電圧(V:直流or交流:交流は周波数も) | 消費電流(A) | 消費電力 出力(W) | 1日の平均使用時間(h) |
| 各々の負荷 | a | b | c | d |
1日あたりの平均消費電力量(Ah/D) = 消費電流(A) × 平均使用時間(h)
= b × d
ポイント1 使用を予定している各々の負荷について計算し、合計してください。
ポイント2 消費電流の値が不明の場合は、以下の式で計算してください。
消費電流(A) = b = 消費電力(W) ÷ 電圧(V) = c ÷ a
3)設置場所の状態把握
システムをより厳密に設定するためには、設置場所の様々な自然条件(日射量、気温等)をつかみ、標準値を補正して使用します。
では次に、直流12Vで利用できる家電製品を利用するための独立系太陽光発電システムの大まかな設計と計算方法について説明しましょう。
ここでは、直流12Vで利用できる家電製品を利用するための独立系太陽光発電システムの大まかな設計と計算方法について説明します。
例として、以下のように使用条件を設定してみます。
1)11Wの蛍光灯1本を1日3時間
2)30Wのテレビと20Wのビデオをを1日2時間
3)連続無日照日が5日続いても稼動するシステムとしたい。
蛍光灯
蛍光灯具をよく見てみると消費電流が書いてありました。 1.1Aです。
蛍光灯は交流で点灯しますので、蛍光管が11Wであっても、蛍光灯器具の中には直流を交流に換える小さなインバータが取り付けられています。
そのインバータの変換効率を加味した表示になっていることがわかります。
テレビとビデオ
これには消費電流が表示されていませんので、各々計算してみましょう。
30W ÷ 12V ≒ 2.5A 20W ÷ 12V ≒ 1.7A
消費電流が求められましたので、次の表を埋めて1日当たりの消費電流を求めます。
| 電気製品 | 消費電流 | 1日あたりの使用時間 | 1日当たりの消費電流 | ||
| 蛍光灯 | 1.1A | × | 3h/D | = | 3.3Ah/D |
| テレビ | 2.5A | × | 2h/D | = | 5.0Ah/D |
| ビデオ | 1.7A | × | 2h/D | = | 3.4Ah/D |
| 合計 11.7Ah/D |
次は、11.7Ah/Dという消費電流をまかなうことができる太陽電池の必要電流を計算してみましょう。
太陽電池の1日当たりの必要発電電流量(Ah/D) =
平均的な1日の消費電力量(Ah/D) ÷ 出力補正係数 ÷ バッテリー充放電損失補正係数 ÷ その他の補正係数
で、求められます。
ここでは、出力補正係数に0.85を、バッテリーの充放電効率にともなう補正係数に0.95を上記の式に代入してみました。
太陽電池の1日当たりの必要発電電流量(Ah/D) = 11.7(Ah/D) ÷ 0.85 ÷ 0.95 ≒ 14.5(Ah/D)
太陽電池の1日当たりの必要発電電流量は14.5Ah/Dと計算で求めることができました。
日本の年間日照時間は1500-2000時間です。1日当たりの平均日照時間にすると、4-5.5時間です。一般的な地域における経験として発電に利用できる時間は1日当たり平均2.6-4時間(日射量1000W/uに換算した場合)とみなすことができ、これを有効日射時間といいます。ここでは中間の値をとって3.3時間とします。
14.5Ah/D ÷ 3.3H/D ≒ 4.4A
太陽電池の出力電流は4.4Aか、またはそれ以上あれば良いということがこの計算からわかりました。
夜間の電流の逆流を防止するために太陽電池とバッテリーの間に逆流防止器を取り付けます。この逆流防止器(ダイオード)を取り付けることによって電圧は下がってしまいます。この電圧ドロップを加味して計算式を作りますと次のようになります。
太陽電池の最大出力動作電圧 = バッテリー公称電圧 × 満充電係数 + 電圧ドロップ
それぞれの値を式に代入してみましょう。
太陽電池の最大出力動作電圧 = 12V × 1.24 + 0.7V = 15.58V
太陽電池の最大出力動作電圧は15.58V以上あればOKと言うことがわかりました。
太陽電池の最大出力動作電流(4.4A)と最大出力動作電圧(15.58V)が求められました。太陽電池の一覧表から最適な太陽電池を選びます。ここでは、昭和シェル石油の、型式GT133太陽電池を2枚並列に使う事にします。
GT133を2枚並列に接続すると、
最大出力動作電流 3.15 × 2 = 6.30A
最大出力動作電圧 15.9V
システムの電圧を上げるために直列に接続する、または電流を上げるために並列に接続してご使用になる場合には、同型式の太陽電池をご使用下さい。
さて、まだバッテリーの計算が残っています。ここでは、雨などで5日間連続で日照が期待できない日が続いても支障のないシステムを考えてみます。1日当たりの平均的な消費電力量の5日間分をバッテリーに蓄えてバックアップすることになります。次式に代入してバッテリー容量を求めてみましょう。
バッテリー容量(Ah) ≧ 1日の平均的な消費電流(Ah/D) × 連続無日照保証日数(日:D) ÷ 鉛バッテリーの保守率
バッテリー容量(Ah) ≧ 11.7(Ah/D) × 5(D) ÷ 0.8
≧ 73.1
よってバッテリーは73.1Ah、又はそれ以上の容量が必要だということがわかりました。
バッテリーメーカーのカタログに12V80Ahというものがありましたので、それを使用することにします。

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